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「南方熊楠・すい点の思想」 鶴見和子著

それまで一般的ではなかった知の巨人:南方熊楠は、鶴見和子によって世の中の評価も高めたと言います。ただ、それでも熊楠のイメージは少し変人的な天才という興味先導の部分があり、そこが歯がゆかったようです。鶴見は、南方熊楠は十分体系的であ...

「孫の孫が語る藤原道長」 繁田信一著

藤原道長と言えば「この世をば 我が世とぞ思ふ 望月の 欠けたる ことも なしと思へば」と歌い摂関政治を固め藤原氏の絶対統治の世の中を作った人、そしてその息子の頼道もそれを継いだ人、と学校で習いますね。そしてその人となりは同時代の記...

「できないとは言わない。できると言った後にどうやるかを考える」 丹下大 著

著者は、アメリカの雑誌「フォーブス」で日本の富豪50位にランクインされたIT系会社の創業社長です。若くして成功された方は皆同じ気がしますが、自分が信じたことをやり切れる方ですね。必ずしもエリートのポジションにずっといたわけではなく...

「春日局」 小和田哲男著

小和田哲男さんと言えば、大河ドラマの監修を務められる有名な先生です。小和田氏が1988年に刊行した原本をもとにその後の研究で新しいことがわかってきたこともあるためか、本書が新装版として上梓されました。俗に世に言う「お局様」とは古株...

「中島敦の挑戦と南洋」 小谷汪之著

中島敦と言えば「山月記」ですね。あのなんとも言えない怪奇譚的な雰囲気から中島敦のイメージはどうしても闇に包まれた孤高の詩人的なものです。本書を読んだ後もそれは変わらないのですが、中島の生涯には、日本の植民地であった南洋の明るさや朝...

「古代ギリシア人の24時間」フィリップ・マティザック(安原和見訳)著

これは面白い!紀元前416年のアテネのある日、そこに生きる市井の人々を主人公にして、1時間単位の深~いエピソードが24個つづられていきます。ソクラテス、プラトン、ヒポクラテス達も現れますが、あくまでも主人公は古代ギリシアに...

「もういちど読む山川倫理PLUS」 小寺聡著

山川のもう一度読むシリーズの倫理です。でもPLUS編なので、そのままじゃなくて、改めて古今東西の34人の思想をそれぞれわかりやくコンパクトにまとめてくれています。しかも、著者は映画の造詣も深く、映画のシーンと絡めたり全く別の小説と...

「ガラスの来た道」 小寺智津子著

ガラスは4500年前からその製造技術が存在していたらしいです。美しさで人間を虜にしたガラスは壊れやすく儚いイメージがありますが、実は何千年も現存できるが故に現代の我々に先人からのメッセージを残すものになっているといいます。著者は東...

「道元思想を解析する」 門馬幸夫著

~正法眼蔵~と何か データベースをテキストとし、従来と違った観点からの分析が可能になった 私の実家の菩提寺は曹洞宗です。年に数回のお墓参りを欠かしたことはありません。30年ほど前、福井の永平寺を旅行で尋ねたことがあり...

「このゲームにはゴールがない」 古田徹也著

子供が嘘をつくのはいつからか 冒頭、著者は、三歳半の娘の毎日のお弁当に入れていた卵焼きが、実は娘の好物ではなかったことを知り、嘘をつくようになった子供の成長の証しを喜びながらも、同時に心の寂しさを感じたことを...
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