藤原道長と言えば「この世をば 我が世とぞ思ふ 望月の 欠けたる ことも なしと思へば」と歌い
摂関政治を固め藤原氏の絶対統治の世の中を作った人、そしてその息子の頼道もそれを継いだ人、と学校で習いますね。
そしてその人となりは同時代の記録でもわかるわけですが、本書は少し趣を異にしています。
頼道の息子の師実(つまり道長の孫)のその孫の忠実が(つまり道長の孫の孫)、道長の時代から100年経ったころ、色々と自分のお爺さんから聞いた「道長」と「頼道」の話をしている書物から説き起こしてくれているものです。
さすがに同時代の書物に比べてリアリティが薄れるのでは?とも思いがちですが、むしろ100年経った頃だから客観的な事実が明確になっているとも言えますね。
本書に出てくる「道長」や「頼道」は確かに癇癪持ちだったり暴君だったり、そうかと思えばいつの時代にもいる普通の父親だったり、して大変興味深く読みました。
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